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  • 【2025年版】n8nフェアコードライセンスを徹底解説|商用利用OKとNGの境界線

    【2025年版】n8nフェアコードライセンスを徹底解説|商用利用OKとNGの境界線

    「n8nは無料で使えるの?商用利用は大丈夫?」
    「フェアコードライセンスって何?オープンソースとは違うの?」
    「自社サービスにn8nを組み込んでも問題ない?」

    n8nの導入を検討する際、ライセンスについて不安を感じる方は多いのではないでしょうか。

    結論からお伝えすると、n8nは「Sustainable Use License(サステナブルユースライセンス)」というフェアコードライセンスを採用しており、社内の業務自動化であれば無料で商用利用できます。ただし、n8n自体を再販したり、自社サービスに組み込んで顧客に提供する場合は制限があります。

    この記事では、n8nのライセンス体系を具体的なOK/NG事例とともに解説し、企業が安心してn8nを活用するためのポイントをお伝えします。

    この記事でわかること

    • フェアコードライセンスとは何か
    • オープンソースとの違い
    • 商用利用OK・NGの具体的な事例
    • 企業でn8nを安全に使うためのポイント
    • ライセンス違反を避けるためのチェックリスト

    n8nのライセンス体系を理解する

    n8nのライセンスを正しく理解するには、まず「フェアコード」という概念を知る必要があります。

    フェアコード(Fair-code)とは?

    フェアコードとは、n8n社が提唱するソフトウェアの配布モデルです。以下の4つの特徴を持つソフトウェアを指します。

    • 一般的に無料で使用でき、誰でも配布できる
    • ソースコードが公開されている
    • 誰でも拡張・カスタマイズできる
    • 商用利用に一定の制限がある

    重要なのは、フェアコードは「ライセンス」そのものではなく、ソフトウェア配布の「モデル」や「考え方」を表す用語だという点です。

    Sustainable Use License(SUL)とは?

    n8nが実際に採用しているライセンスが「Sustainable Use License」です。2022年にn8nが作成した独自のライセンスで、以下の権利と制限があります。

    許可されていること

    • 自社の内部業務目的での使用・改変
    • 非商用・個人利用での使用・改変
    • 非商用目的での無料配布

    制限されていること

    • n8nを他者に販売すること
    • n8nをホスティングサービスとして提供すること
    • 自社サービスの機能としてn8nを組み込むこと

    オープンソースとの違い

    n8nはソースコードが公開されていますが、「オープンソース」ではありません。

    項目 オープンソース(例:MIT、Apache 2.0) フェアコード(n8n SUL)
    ソースコード 公開 公開
    無料利用 可能 可能
    改変・拡張 可能 可能
    商用利用 制限なし 一部制限あり
    再販・ホスティング 可能 制限あり

    オープンソースには「使用目的を制限してはならない」というルールがあります。n8nは商用利用に制限を設けているため、厳密にはオープンソースの定義に当てはまりません。

    なぜn8nはフェアコードを選んだのか?

    n8n社がフェアコードモデルを採用した理由は、「持続可能なビジネス」を構築するためです。

    完全なオープンソースの場合、大手クラウドプロバイダーがソフトウェアをそのまま利用してサービス化し、オリジナルの開発者に還元されないケースがあります。n8nはこの問題を避けつつ、オープンソースの利点(透明性、拡張性、セキュリティ)を維持するためにフェアコードを選択しました。

    商用利用OK・NGの具体例

    ここからは、n8nのライセンス上で許可されている使い方と禁止されている使い方を具体的に見ていきます。

    商用利用OKの事例

    1. 自社の業務自動化(Internal Business Use)

    最も一般的な使い方です。以下のような用途は完全に許可されています。

    • 社内システム間のデータ連携
    • 営業・マーケティングの自動化
    • カスタマーサポートの効率化
    • 経理・人事業務の自動化
    • 社内レポートの自動生成

    企業規模に関係なく、自社の業務効率化が目的であればライセンス費用は発生しません。

    2. クライアント向けのワークフロー構築サービス

    コンサルティングや受託開発として、クライアントの環境にn8nを導入し、ワークフローを構築・運用代行することは許可されています。

    ポイントは「クライアント自身の環境」でn8nを運用することです。

    3. 教育コンテンツやテンプレートの販売

    n8nの使い方を教える有料講座や、ワークフローテンプレートを販売することは許可されています。

    4. カスタムノードの開発・提供

    n8nを拡張するカスタムノードを開発し、公開・販売することも問題ありません。

    商用利用NGの事例

    1. n8nのホワイトラベル販売

    n8nに独自のブランド名をつけて、あたかも自社製品のように販売することは禁止されています。

    2. n8nのホスティングサービス提供

    自社サーバーでn8nをホストし、顧客に有償でアカウントを発行して利用させるサービスはライセンス違反となります。

    3. 自社SaaSへのn8n組み込み

    自社が運営するSaaSサービスの機能として、n8nを組み込んで顧客に提供することは原則として禁止されています。

    たとえば、自社のプロジェクト管理ツールに「自動化機能」としてn8nを統合し、顧客がワークフローを作成できるようにする、といった使い方はNGです。

    グレーゾーン:判断に迷う場合

    以下のようなケースは判断が難しい場合があります。

    ケース1:自社アプリのバックエンド処理

    自社アプリの内部処理(顧客には見えない部分)でn8nを使う場合、公式ドキュメントでは「n8nの価値を直接顧客に提供しているかどうか」で判断すべきとされています。

    ケース2:グループ会社での利用

    親会社・子会社間での利用は「内部利用」とみなされる可能性が高いですが、明確な記載はありません。

    判断に迷う場合は、n8n社(license@n8n.io)に直接問い合わせることを推奨します。

    n8n Embed:SaaS組み込みを可能にする公式プログラム

    前述のように、n8nを自社SaaSに組み込むことは原則禁止ですが、公式に許可を得る方法があります。

    n8n Embedとは?

    n8n Embedは、自社製品にn8nの自動化機能を組み込みたい企業向けの公式プログラムです。n8n社と契約を結ぶことで、ライセンス上の制限を解除できます。

    n8n Embedの主な特徴

    • 自社SaaSにn8nを統合可能
    • 顧客向けのワークフロー機能を提供可能
    • n8nのブランドを表示するかどうかは選択可能
    • 専用のサポートと技術支援を受けられる

    n8n Embedを検討する場合は、n8n公式サイトから問い合わせが可能です。

    2種類のライセンスの適用範囲

    n8nのソースコードには、実は2種類のライセンスが適用されています。

    Sustainable Use License

    GitHubのメインリポジトリにあるソースコードの大部分に適用されます。コミュニティ版(Community Edition)のコア機能はこのライセンスでカバーされています。

    n8n Enterprise License

    ファイル名に「.ee.」が含まれるソースコードに適用されます。エンタープライズ向けの機能(SSO、SAML、LDAP、監査ログなど)がこれに該当します。

    エンタープライズ機能を利用するには、n8n社から商用ライセンスを購入する必要があります。

    企業でn8nを安全に使うためのチェックリスト

    企業でn8nを導入する際、ライセンス違反を避けるためのチェックリストを用意しました。

    導入前の確認事項

    チェック項目 確認内容
    利用目的 自社の内部業務効率化が目的か?
    顧客への提供 n8nの機能を直接顧客に提供しないか?
    再販・ホスティング n8nを第三者に販売・ホスティングしないか?
    SaaS組み込み 自社サービスにn8nを組み込まないか?
    エンタープライズ機能 SSO/SAML/監査ログなどが必要か?

    ライセンス違反にならないための3つのポイント

    1. 「内部利用」の範囲を明確にする

    n8nで自動化する対象が、自社の業務プロセスであることを確認します。外部の顧客やパートナーが直接n8nを操作する形態は避けましょう。

    2. n8nの価値を「直接販売」しない

    n8nのワークフロー機能そのものを商品として販売することは避けます。コンサルティングや構築代行として付加価値をつける形であれば問題ありません。

    3. 迷ったらn8n社に相談する

    ライセンスの解釈に迷う場合は、license@n8n.ioに問い合わせることで公式見解を得られます。後からライセンス違反が発覚するリスクを避けるためにも、事前確認は重要です。

    よくある質問(FAQ)

    Q. 社内利用でもライセンス費用は発生しますか?

    A. いいえ、発生しません。自社の業務効率化が目的であれば、企業規模に関係なく無料で利用できます。Community Editionをセルフホストする場合、ソフトウェア自体のライセンス費用はゼロです(サーバー費用は別途必要)。

    Q. クライアント企業にn8nの導入支援をするのは問題ありませんか?

    A. 問題ありません。クライアントの環境にn8nをインストールし、ワークフローを構築・運用代行するコンサルティング業務は公式に許可されています。

    Q. n8nを使った社内ツールを子会社に展開できますか?

    A. グループ会社での利用は「内部利用」とみなされる可能性が高いですが、明確な規定はありません。規模が大きい場合は、念のためn8n社に確認することをおすすめします。

    Q. 会社のポリシーで商用利用制限があるソフトウェアは使えません。どうすればいいですか?

    A. n8n社に連絡することで、個別のライセンス契約について相談できます。企業の法務・購買部門の要件に合わせた対応が可能な場合があります。

    Q. n8nに貢献したコードの著作権はどうなりますか?

    A. GitHubに貢献したコードは、GitHubの利用規約に従います。貢献者がコードの責任を持ちますが、他のGitHubユーザーにも一定の利用権が付与されます。

    まとめ:n8nのライセンスを正しく理解して安心して活用しよう

    この記事では、n8nのフェアコードライセンス(Sustainable Use License)について解説しました。

    ライセンスの基本

    • n8nは「フェアコード」モデルを採用(オープンソースではない)
    • ソースコードは公開されており、無料で利用可能
    • 商用利用には一部制限がある

    商用利用のルール

    • OK:自社の業務自動化、クライアントへの導入支援、教育コンテンツ販売
    • NG:n8nの再販、ホスティングサービス提供、SaaSへの組み込み
    • SaaS組み込みが必要な場合は「n8n Embed」を検討

    安全に使うためのポイント

    • 利用目的が「内部業務効率化」であれば問題なし
    • n8nの機能を直接顧客に販売しない
    • 迷ったらn8n社(license@n8n.io)に相談

    n8nは強力な自動化ツールであり、ライセンスを正しく理解すれば多くの企業で安心して活用できます。自社の業務効率化を目的とした利用であれば、ぜひ積極的に導入を検討してみてください。